夏期は、できなかったことを「できる」に変える夏です
集中授業では、いつも以上に長い時間、子どもたちが勉強に向き合っています。夏休みのよさは、学校の授業がいったん止まり、普段はなかなか戻れないところまで戻れることです。
前の学年からわからなくなっていたこと。
何となく公式に当てはめていたこと。
「かけるの? 割るの?」と迷いながら解いていたこと。
時間の取れる夏だからこそ、こうした曖昧な部分を、そのままにせず解決できます。
8月は、記事の本数を増やすのではなく、全学年に共通する大切なテーマに絞りました。
今月の中心は、子どもたちが苦手にしやすい「割合・パーセント・速さ」です。
小学生にも中学生にも、高校で数学や理科を学ぶうえでも大切になる考え方を、Maxでは「プロポーションボックス」を使って整理しています。
ぜひ、お子さんと一緒に読んでみてください。
8月の教室日記
今月の教室日記は、夏期講習中に生まれた二つの出来事です。
一つは、「かけるの? 割るの?」と迷っていた中学生の変化。
もう一つは、先生の仕事を心配してくれた子からの、少し不思議で、何とも憎めない提案です。
【教室日記】「かけるの? 割るの?」から卒業した日
割合の問題を見るたびに、
「先生、これ、かけるんですか?」
「割るんですか?」
と確認していた中学生のユウキ君。
けれど、答えだけを教えても、本当の解決にはなりません。
大切なのは、自分で数字の関係を見て、
「こう動いているから、ここも同じように動く」
と考えられるようになることです。
そこで、プロポーションボックスを使って問題を整理してみると、ユウキ君の反応が変わりました。
「これだけ?」
「本当に、これでできるの?」
何度も確かめたあと、自分の力で答えまでたどり着きました。
そして最後には、
「最初からこれで教えてほしかった」
「かけるの? 割るの?って困っていた時間、返してほしい!」
そんな言葉まで飛び出しました。
「解き方を覚えた」だけではなく、「自分で考えて解けた」。
その違いが見えた、夏の教室での出来事です。
【教室日記】「割合はかける?割る?」から卒業|中学生が自分で考えて解けた日
【教室日記】いつ来ても先生がいる――夏休みの教室で生まれた不思議な提案
夏期講習中のある日、子どもからこんなことを言われました。
「先生って、ここに住んでいると思ってた」
理由を聞くと、
「だって、いつ来てもいるじゃん」
なるほど。
子どもから見ると、そう見えるのかもしれません。
そして、その子は先生の忙しさを心配し、仕事を減らす方法まで考えてくれました。
「僕が宿題を減らせば、先生が見る宿題も減るでしょう?」
「そうしたら、僕も先生も助かるじゃん」
先生思いのような、宿題を減らしたいだけのような、実に不思議な提案です。
勉強とは少し離れた、夏期講習中の教室で生まれた、思わず笑ってしまうやり取りをご紹介します。
【教室日記】いつ来ても先生がいる|夏休みの教室で生まれた不思議な提案
まずはこちら|割合で困っているすべてのご家庭へ
【スタディアドバイス】「うちの子、割合になると急にできない」その原因は?
「割合の問題になると、急に手が止まる」
「パーセントになると、かけるのか割るのかわからない」
「速さの公式を覚えても、問題になると使えない」
こうした悩みは、小学生だけのものではありません。
小学校で曖昧だった部分を残したまま、中学生、高校生になっている子も少なくありません。
では、なぜ割合や速さになると、急にわからなくなるのでしょうか。
それは、子どもの能力の問題ではなく、問題に出てくる数字同士の関係が見えていないからかもしれません。
この記事では、割合・パーセント・速さを、すべて同じ考え方で整理できる「プロポーションボックス」を紹介しています。
公式を丸暗記するのではなく、
「こちらが3倍なら、もう一方も3倍になる」
という数字の動きを目で見て考える方法です。
割合で困っている小学生・中学生はもちろん、今は困っていないように見えるお子さんにも、一度読んでいただきたい内容です。
【スタディアドバイス】「うちの子、割合になると急にできない」その原因は?|パーセント・速さも自分の力で解ける「数字の見方」
8月、各学年で大切にしてほしいこと
今月は学年別の記事を作っていませんので、ここでは夏期講習中の学習について、短くお伝えします。
中学1年生へ|英語と数学では、「難しさの種類」が違います
中学1年生は、英語も数学も、最初の山場を迎えています。
数学は内容そのものが少しずつ難しくなってきました。
「これは頑張らないといけないな」
そう感じている人もいるでしょう。
一方、英語でこれから出てくる三人称単数のsなどは、ルール自体が特別難しいわけではありません。
ただし、簡単だからこそ、確実にできるようにする必要があります。
「言われればわかる」
「説明されれば思い出す」
それでは、まだ身についたとはいえません。
考え込まなくても自然に使える。
普通に文を書いても間違えない。
そこまで練習して、初めて本当に使える英語になります。
数学の「考えないとわからない難しさ」と、英語の「難しくはないけれど、確実に身につける必要がある難しさ」は別のものです。
この違いに気をつけながら、夏の学習を進めていきましょう。
中学2年生へ|英語も数学も、入試につながる内容に入っています
中学2年生は、英語も数学もかなり本格的になってきました。
数学では、連立方程式の文章問題に取り組みます。
割合や速さは、小学校5年生ごろから繰り返し学んできた内容です。その集大成が、連立方程式の文章問題です。
ここを終えることは、高校入試数学の大きな柱の一つを学び終えることを意味します。
もう「中2の問題だから、入試はまだ先」という段階ではありません。
連立方程式の文章問題については、今の時点で入試問題が解けてもおかしくないところまで来ています。
このあとに学ぶ関数や図形も、入試では必ずといってよいほど出題される重要分野です。
英語でも、不定詞・動名詞という、これからの英文を支える中心的な内容に入ります。
中2の夏は、ただ今のテスト範囲を勉強するだけの時期ではありません。
入試につながる土台を、一つずつ完成させていく時期です。抜けを残さず、しっかり取り組んでいきましょう。
中学3年生へ|8月号は別の記事でお伝えします
中学3年生は、いよいよ受験勉強の中心に入っています。
夏の時間を何に使うのか。
どの教科を、どのように伸ばすのか。
秋以降の模試や実力テストにつなげるために、何を完成させるのか。
中3生については、短いコメントでは伝えきれません。
8月の学習と受験に向けたメッセージは、別の記事にまとめてお伝えします。
最後に
夏期講習では、たくさんの問題に取り組みます。
しかし、大切なのは、問題数だけではありません。
今まで曖昧だったことが、はっきりわかるようになること。
先生に聞かなくても、自分で考えられるようになること。
「できない」と思っていた問題に、もう一度向かえるようになること。
一つでも、そんな変化を持ち帰ってもらいたいと思っています。
割合や速さで困っている人は、ぜひ今月のスタディアドバイスを読んでみてください。
これまで別々に見えていた問題が、
「なんだ、全部同じ考え方だったのか」
と一つにつながるかもしれません。
暑い日が続きますが、教室では一人ひとりの「わかった」「自分でできた」を増やせるよう、8月も一緒に取り組んでいきます。

