「勉強しなさい」と声をかけると、
「もうやった」
と返ってくる。
保護者の方から、こうしたお話をいただくことはとても多いです。
たしかに、「もうやった」と言われると、その先の言葉が難しくなります。
しかも本人としては、「宿題は終わった」という意味で言っていることも多いので、完全に間違っているわけでもありません。
でも、ここで大事なのは、
“宿題が終わったかどうか”と、“できるようになったかどうか”は別だということです。
ここに気づけると、家で何をすればいいのかが、かなりはっきりしてきます。
★ 宿題を終わらせるだけでは、成績は大きく変わりません。
★ 間違えた問題を「できる問題」に変えていくことが、成績アップにつながります。
成績が上がる子は、「できなかった問題」を放っておきません
前回の記事では、間違い直しノートの使い方についてお話ししました。
授業や宿題の中で間違えた問題を、
見開き2ページでまとめて、
左ページに問題、右ページに正しい解き方や自分の注意点を書く。
このやり方ができるようになると、勉強の中身は大きく変わっていきます。
では、そのノートをいつ、どう使うのか。
そこまで含めて完成するのが、Maxで大切にしている「赤マル勉強法」です。
赤マル勉強法とは?
とてもシンプルに言うと、
間違えた問題に印をつけて、日にちをあけて、もう一度できるか確かめる勉強法です。
Maxでは、間違えた問題に赤マルをつけます。
そして、その赤マルがついた問題に、数日後もう一度挑戦します。
ここで大事なのは、
「その場で直せた」ではなく、「時間がたってもできた」かどうかです。
授業中や解き直しの直後は、できた気になりやすいです。
でも、3日後、4日後にもう一度やると、
「あれ? どうやるんだっけ……」
となることは珍しくありません。
だからこそ、
時間をあけてもう一度やる
これが必要になります。
【ここが大事】
今できた、ではなく、後でもできる。
そこまでいって初めて、本当にできるようになったと言えます。
「できなかった」が「できる」に変わって、初めて進歩です
私は、成績が上がるということは、
できなかった問題が、できるようになることの積み重ね
だと思っています。
一問一問は小さな進歩かもしれません。
でも、その小さな進歩が積み重なると、テストの点数になり、順位になり、自信になり、やがて合格につながっていきます。
そしてもう一つ大事なのは、
この積み重ねは、勉強だけではなく、
「できないことから逃げずに向き合う力」
も育てていくということです。
だから私は、赤マル勉強法は単なるテスト対策ではなく、
子どもたちの土台を作る勉強法だと考えています。
家で何をすればいいの? その答えが見えてきます
ここまで読むと、家でやるべきことが見えてきます。
それは、ただ長時間机に向かうことではありません。
ただ宿題を終わらせることでもありません。
家でやるべきことは、赤マルのついた問題をつぶしていくことです。
つまり、
・間違えた問題をそのままにしない
・間違い直しノートを作る
・日にちをあけてもう一度解く
・できるまでくり返す
この流れです。
これが、Maxで大切にしている赤マル勉強法です。
【画像①:赤マルがついたテキストやプリントの例】
間違い直しノートは、赤マル勉強法の「武器」です
赤マル勉強法を進めるうえで、絶対に欠かせないのが、
間違い直しノートです。
なぜかというと、数日たったあとに復習しようとしても、
何も道具がなければ、
「何を見ればいいの?」
「どこがポイントだったっけ?」
「どうやって解くんだっけ?」
となってしまうからです。
でも、見開きで作った間違い直しノートがあれば違います。
左ページに問題、
右ページに正しい解き方・答え・自分の注意点。
これがあると、
「ああ、そうだった。ここでこう考えるんだった」
と、一人でも思い出すことができます。
つまり、間違い直しノートは、
復習するための地図であり、
自分を助けるための武器です。
授業中にわかっただけでは、まだ不十分です
授業中に解説を聞いて、
「なるほど」
「わかった」
と思うことはあります。
実際、その瞬間は理解できていることも多いです。
でも、ここで安心しすぎると危険です。
その理解は、まだ
“瞬間的にわかっている状態”
にすぎないことがあるからです。
その日のうちならできても、
数日後には忘れてしまう。
テストのときには思い出せない。
これは珍しいことではありません。
だからこそ、
わかった直後に記録しておくこと
が重要です。
その記録が、間違い直しノートです。
間違い直しノートは、最初から上手に作れなくて大丈夫です
ここは、保護者の方にも子どもたちにも、ぜひ知ってほしいところです。
間違い直しノートは、慣れるととても強い道具になります。
でも、最初から上手に作れる子はあまりいません。
むしろ最初は、
「何を書けばいいかわからない」
「どこまで書けばいいの?」
「これで合ってるのかな?」
となるのが普通です。
だから、最初は少しずつで大丈夫です。
試行錯誤しながら、だんだん上手になっていけばいいのです。
そして、だんだん上手に作れるようになるころには、
勉強のやり方そのものが変わってきています。
つまり、その時点でもう成績は上がり始めていることが多いのです。
赤マル勉強法の流れ
ここで、流れを整理しておきます。
【赤マル勉強法の基本の流れ】
① 問題を解く
② 間違えた問題に赤マルをつける
③ 間違い直しノートを作る
④ 数日後に、赤マル問題をもう一度解く
⑤ できたら前進。できなければ、もう一度復習する
⑥ 本当にできるまでくり返す
この流れが回り始めると、
「なんとなく勉強している状態」から、
「できないを減らしていく勉強」に変わります。
これが、成績が上がる子の勉強です。

赤マル問題は、1回できただけでは安心しない
ここも大事です。
赤マルがついた問題に再挑戦して、1回できた。
これはもちろん前進です。
でも、1回だけでは、まだ少し不安が残ります。
本当に定着したかどうかを見るには、
もう一度できるか
も大事です。
おすすめは、
日にちをあけて2回連続でできること
を一つの目安にすることです。赤マルつぶしです。
そうすると、
「たまたまできた」ではなく、
「本当にできるようになった」
という実感が持てます。
2回連続できたら、赤マルを×で消しましょう。赤マルつぶしです。
赤マルつぶしの数が、実力のアップ具合です。達成感をかんじながら頑張れます。
【ここがポイント】
赤マルが減るということは、できない問題が減っているということです。
これは、そのまま成績アップにつながります。
テキストの赤マルは、「がんばった証拠」です
赤マルがたくさんついているテキストを見ると、
子どもによっては嫌な気持ちになることがあります。
でも、本当は逆です。
赤マルは、
「何をやればいいのか」が明確になったってことです。
そして、赤マルつぶしを実行すれば、
「成長した証拠」
に変わります。
見返したときに、
「これだけ進んだ」
「こんなにできるようになった」
と目で見てわかるからです。
こういう積み重ねは、子どもの自信につながります。
【画像②:赤マルと、できるようになった印がついたテキスト例】
家での声かけは、「勉強したの?」より具体的に
保護者の方に、ぜひおすすめしたいことがあります。
それは、
「勉強したの?」という聞き方を減らすこと
です。
この聞き方だと、子どもは
「した」
「今やろうと思ってた」
「宿題は終わった」
という返事になりやすく、会話が前に進みにくいです。
それよりも、赤マル勉強法に合わせて、
具体的で確認しやすい問いかけ
に変えてみてください。
たとえば、
・間違い直しノート、今日は作れた?
・赤マルの問題、今日は何個つぶせた?
・まだ残っている赤マルは何個くらいある?
・この問題、どうやって解くか説明できそう?
こういう聞き方だと、
子どもも「何をすればいいか」が見えやすくなります。
うまく説明できなくても、怒らないことが大切です
もし、ノートを見ながら
「この問題の解き方を説明してみて」
と聞いたときに、うまく説明できなかったとしても、
そこで強く叱るのは逆効果になりやすいです。
なぜなら、赤マル勉強法は
何度もくり返しながら身につけていく方法
だからです。
最初から完璧にできる子はほとんどいません。
だから、説明できなかったときは、
「まだここは練習が必要なんだね」
「じゃあ、もう一回ここを見てみようか」
くらいの反応のほうが、次につながります。
逆に、うまく説明できたときは、
その問題が解けたことだけでなく、
「ノートを使って復習できていること」
「赤マル勉強法が回り始めていること」
を褒めてあげてほしいと思います。
赤マル勉強法は、すぐ完璧にはならなくて当たり前です
ここは、現実的な話もしておきたいと思います。
この勉強法は、言葉で説明するとシンプルです。
でも、実際に中学生が自分で使いこなせるようになるまでには、時間がかかります。
やり方はわかっても、
・ノートを作るのが続かない
・何を書けばいいか迷う
・復習のタイミングがずれる
・赤マルをつけただけで終わる
こういうことは、普通にあります。
だから、最初から一人で完璧にやろうとしなくて大丈夫です。
サポートを受けながら、少しずつ身につけていけばいいのです。
私たちも、子どもたちがこの方法を使えるようになるまで、
何度も見て、直して、声をかけて、支えていきます。
勉強方法というのは、
「知ったらすぐできる」ものではなく、
やりながら身につけていくものだからです。
この勉強法は、高校に行ってからも役に立ちます
私は、この赤マル勉強法や間違い直しノートは、
中学生の今だけのものではないと思っています。
高校の勉強でも、大学受験でも、
さらには大人になってからでも、
・どこができていないのかを見つける
・そこを記録する
・修正する
・できるまでくり返す
という流れは、とても大事です。
だからこそ、私は子どもたちに、
ただ目の前のテストの点数を取らせるだけではなく、
自分で立て直して前に進める勉強法を身につけてほしいと思っています。
子どもたちへ
赤マルがつくと、いやな気持ちになることもあると思います。
「また間違えた」
「自分はダメだ」
そんな気持ちになることもあるかもしれません。
でも、赤マルは悪いものではありません。
赤マルは、
「ここを直せば伸びるよ」
という目印です。
だから、赤マルがついたら落ち込むのではなく、
「ここをつぶせば前に進める」
と思ってみてください。
一つつぶせば、一つ前進です。
その積み重ねが、やがて大きな差になります。
保護者の方へ
お子さんがこの勉強法を身につけるまでには、時間がかかることがあります。
それは、能力が低いからではありません。
新しい道具を使いこなせるようになるまでに時間がかかるのは当たり前だからです。
だから、ご家庭では、
「まだできないの?」
ではなく、
「少しずつできるようになってるね」
「どの赤マルを今日はつぶせた?」
「このノート、前より使いやすくなってきたね」
といった声かけをしていただけると、とても力になります。
赤マル勉強法まとめ
今までできなかった問題が、できるようになれば進歩です。
そのための、効果的で具体的な勉強方法が赤マル勉強法です。
【赤マル勉強法まとめ】
・間違えた問題に赤マルをつける
・間違い直しノートを作る
・日にちをあけてもう一度解く
・1回では安心しすぎず、できるまでくり返す
・できない問題を一つずつ減らしていく
この積み重ねが、成績アップにつながります。
最後に
成績が上がる子は、最初から何でもできる子ではありません。
できなかった問題を、できる問題に変えていける子です。
そして、そのために役立つのが、
間違い直しノート
と
赤マル勉強法
です。
普段、家で何をすればいいのか。
その答えは、意外とシンプルです。
宿題を終わらせて終わりではなく、
赤マルをつぶしていくこと。
ここまでできるようになると、勉強は確実に変わります。
Maxでは、これからもただ「勉強しなさい」と言うのではなく、
どうやればできるようになるかを、子どもたちと一緒に具体的に考えていきます。
ぜひ、ご家庭でも
「勉強したの?」ではなく、
「今日は赤マル、何個つぶせた?」
と聞いてみてください。

