〜宮城県の入試で点になる形まで、理科・社会を整理する〜
こんにちは。合格屋Maxです。
「先生、この図も全部書くんですか?」
中3のLong Runで、理科のまとめをしていた子が、少し恨めしそうに言いました。
気持ちはわかります。
文章を書き写すだけでも大変です。
そのうえ、実験の図や、しくみを説明する図まで書くとなると、かなり手間がかかります。
実際、その子は、
「手が痛いです」
と言いながら、指に絆創膏を貼って取り組んでいました。
でも、私は言いました。
「うん。図も書くよ。理科は、図が描けるところまでいかないと、入試で使えないんだよ」
夏の授業では、ただたくさん覚えることを目標にしているわけではありません。
宮城県の入試で、どこが点になりやすいのか。
どこで差がつきやすいのか。
どんな形で聞かれたときに答えられるようにするのか。
そこから逆算して、一つひとつ進めています。
理科が苦手だった子
その子は、中1のころから理科に苦手意識がありました。
本人も、
「だって、ホウセンカって知らないもん。できるわけない」
というようなことを言っていました。
小学生のころから、理科はどこか遠いものになっていたようです。
でも、中3の受験では、
「理科は苦手だから、放っておこう」
というわけにはいきません。
宮城県の入試では、理科で点を取れるかどうかが、大きな差になります。
理科は、教科書の基本をしっかり押さえれば点につながりやすい教科です。
ただし、用語だけを覚えて終わりでは弱い。
実験。
図。
グラフ。
しくみ。
理由。
そこまでつながっていないと、入試ではなかなか使えません。
だから教室では、理科をやるときに、
「用語を覚える」
「意味を説明できる」
「図で整理できる」
「白い紙に自分で描ける」
というところまで持っていくことを大切にしています。
図こそ、理科の命です
理科が苦手な子は、言葉だけで覚えようとすることがあります。
でも、理科はそれだけでは足りません。
たとえば、前線の雲のでき方。
電流の流れ。
イオンの動き。
植物のつくり。
実験装置。
力のはたらき。
こういうものは、言葉だけで覚えるより、図で整理した方がずっと強くなります。
逆に言えば、白い紙に何も見ずに図が描けるようになると、かなり頭の中が整理されています。
だから、その子にも、まとめページを図ごと書いてもらいました。
最初は不満そうでした。
「この図も全部ですか?」
「全部」
「ここもですか?」
「そこも」
「これ、時間かかりますよ」
「かかるね。でも、そこが大事」
そんなやり取りをしながら進めました。
これは、ただ根性で書かせているわけではありません。
宮城県の入試で問われる形に近づけるためです。
図を見てわかる。
図を使って説明できる。
図がなくても、自分で描ける。
ここまでいくと、理科はかなり点につながります。
口頭試問で、頭に入っているかを確かめます
ただ書き写すだけではありません。
途中で何度も、口頭で確認します。
「減数分裂って何?」
以前なら、
「……」
「なんだっけ?」
「そんなのありました?」
という反応でした。
ところが、何度も書き、確認していくうちに、少しずつ変わってきました。
「生殖細胞をつくるときの分裂。遺伝子が半分になる分裂」
と答えられるようになってきました。
「おお、すごい。大正解。じゃあ、生殖細胞って何?」
と聞くと、
「植物は精細胞と卵細胞。動物は精子と卵」
と返ってくる。
以前とは別人のようでした。
もちろん、途中には笑ってしまうような間違いもあります。
「じゃあ、精子と卵はどこで作られるの?」
と聞いたとき、その子は自信満々に言いました。
「セイスとランス」
「え? 何それ?」
「間違ってません。ちゃんと書いてありました」
そう言うので、書いてもらいました。
精巣 卵巣
「これはね、セイソウとランソウって読むんだよ」
そう伝えると、
「えー、スじゃないんですか。知らなかった」
と驚いていました。
完璧ではありません。
でも、大事なのは、理科の会話ができるようになってきたことです。
以前は、言葉を聞いても反応できなかった子が、少しずつ答えられるようになる。
間違えても、自分の言葉で説明しようとする。
図と用語をつなげようとする。
これは大きな変化です。
家でも「何か聞いて」と言うようになりました
口頭試問を続けているうちに、その子の様子が変わってきました。
最初は、しぶしぶ書き写しているだけでした。
「手が痛い」
「面倒くさい」
「これ、本当に意味あるんですか」
そんな気持ちもあったと思います。
でも、途中で質問されて、答えが口から出てくる。
「あれ? 答えられた」
本人がそう感じる瞬間があります。
ここが大切です。
「私、覚えてるじゃん」
この感覚が出てくると、書き写しの本気度が変わります。
だんだん、教室でも、
「先生、何か聞いて」
と言うようになりました。
「今日は、今までの全部から聞いてみて」
と言い出すこともありました。
さらに、家でも同じことをしていたそうです。
お母さんにテキストを渡して、
「ここから何か聞いて」
とお願いするようになった、と後から面談で聞きました。
お母さんは、
「答えられるようになってきたのはうれしかったです。
でも、忙しいときに『何か聞いて』と言われると、なかなか大変でした」
と笑いながら話してくださいました。
その気持ちも、よくわかります。
保護者の方も忙しいです。
夕方や夜は、家のこともあります。
そこで急に「問題出して」と言われたら、正直大変です。
でも、理科が大嫌いだった子が、自分から
「聞いて」
と言うようになった。
これは、ものすごく大きな進歩です。
できるようになると、子どもは少し前向きになります。
「覚えなさい」と言われているうちは苦しい。
でも、「答えられた」と感じると、少し楽しくなる。
この変化を作るために、教室では口頭試問を大切にしています。
口頭試問は、ただのチェックではありません。
子どもに手ごたえを感じさせるための時間でもあります。
理科の計算は、実は算数の力です
理科で差がつくものの一つに、計算問題があります。
ただ、理科の計算は、特別な才能が必要なものではありません。
基本は、算数の力です。
割合。
比。
単位量あたり。
比例。
速さ。
表やグラフの読み取り。
こうした力が、理科の中で形を変えて出てきます。
だから教室では、理科の計算だけをその場しのぎで教えるのではありません。
普段の数学の授業の中でも、比や単位量あたりの考え方を大切にしています。
一般的な公式に当てはめて終わらせるよりも、
「何と何の比なのか」
「1あたりで考えるとどうなるのか」
「表のどこを見ればいいのか」
「グラフの変化から何がわかるのか」
という見方を、できるだけ織り込んで教えています。
たとえば中学生に説明するときでも、必要なら小学校で習った考え方までさりげなく戻ります。
小5あたりで習う割合や単位量あたり。
速さの見方。
比の感覚。
グラフや表の読み方。
そこから、今の中学内容を組み立て直します。
これは、遠回りに見えるかもしれません。
でも、宮城県の入試問題を考えると、とても大切です。
理科の計算問題では、こうした算数・数学の土台がそのまま効いてきます。
中1の数学を教えているときも、ただその単元だけを教えているわけではありません。
最後に理科の計算で困らないように。
入試で表やグラフを読めるように。
比や単位量あたりで考えられるように。
そういうゴールを頭に置きながら、少しずつ仕組みを子どもの中に入れていきます。
授業は、その場その場の単元だけを平らに進めているわけではありません。
中1で教えていることが、中2の数学につながる。
中2で教えていることが、中3の理科につながる。
普段の数量の見方が、入試本番の計算問題につながる。
そういうふうに、先のゴールから逆算して組み立てています。
あとになって理科の計算で困ったときに、
「あ、これ数学でやった考え方だ」
とつながるようにしたいからです。
教科は違っても、考え方はつながっています。
地理は、地図と理由をセットにします
社会も、ただ言葉だけ覚えると苦しくなります。
教室では、地理を確認するとき、できるだけ地図を使います。
以前、北海道の根釧台地を確認していたときのことです。
地図を見せながら、
「ここ、何がさかんな地域だった?」
と聞くと、ある子が少し考えて、
「酪農です」
と答えました。
「そう。じゃあ、なんで酪農なの?」
と聞くと、少し止まりました。
「北海道だからですか?」
「うん、それも関係ある。でも、もう少し地図を見よう」
そう言って、北海道の東側、太平洋側の位置を確認しました。
根釧台地は、北海道の東部に広がる広い台地です。
地図で見ると、かなり広い土地があります。
そこで、子どもに聞きました。
「広い土地があるなら、普通は何ができそう?」
すると、
「畑ですか?」
と答えます。
「そう思うよね。じゃあ、お米はどう?」
「北海道だから、寒くて無理そうです」
「そうだね。お米は、基本的には暖かさと水が大事。水が豊かで、気温もある程度高くて、土地も肥えているところで作りやすい」
そう話してから、もう少し続けました。
「じゃあ、少し気温が低かったり、水が足りなかったりすると、何になることが多い?」
子どもたちは少し考えます。
「小麦ですか?」
「そう。小麦は、お米よりも少し乾いた地域や、気温が低い地域でも作られやすい。じゃあ、それも厳しいところでは?」
「いも?」
「豆?」
「そうそう。いも類や豆類になることもあるね。じゃあ、それでも作物を育てるのが難しい地域だったら、農業でできることは何がある?」
少し間があって、ある子が言いました。
「家畜を育てる?」
「そう。そこなんだよ」
根釧台地は、土地がやせています。
気温も低い地域です。
さらに、夏には濃い霧が発生しやすい。
つまり、広い土地はあるけれど、お米にも向きにくい。
畑作にも条件が厳しい。
そこで、作物を育てるよりも、広い土地を利用して家畜を飼う方向に進んでいきます。
これが、根釧台地で酪農が発展した大きな理由です。
「根釧台地=酪農」と丸暗記するだけなら、すぐ忘れます。
でも、
暖かくて水が豊かなら、お米。
少し寒かったり、水が少なかったりすれば、小麦。
さらに厳しければ、いも類や豆類。
作物が育ちにくければ、家畜を飼う。
こういうふうに、自然条件と農業の関係で考えると、地理はかなり見えやすくなります。
地理なのに、理科みたいですね
根釧台地の話には、もう一つ大事な条件があります。
夏の濃霧です。
「じゃあ、その霧はどうしてできると思う?」
と聞くと、子どもたちは少し考えます。
ここで、理科の話につながります。
夏、太平洋側から暖かく湿った風が吹いてきます。
その近くには、千島海流という冷たい海流が流れています。
暖かく湿った空気が、冷たい千島海流の影響で冷やされる。
すると、空気中の水蒸気が水滴になり、霧が発生します。
これは、理科でいう露点の話にもつながります。
暖かく湿った空気が冷やされ、露点に達すると、水蒸気が水滴になって霧ができる。
そう説明すると、子どもが、
「地理なのに、理科みたいですね」
と言いました。
私は、
「そう。そこが大事なんだよ」
と答えました。
教科書では、理科は理科、社会は社会、数学は数学と分かれています。
でも、実際の世の中では、そんなふうにきれいに分かれているわけではありません。
根釧台地の酪農を考えるときも、地図を見るだけでは足りません。
気候を見る。
海流を見る。
霧ができるしくみを考える。
土地の条件を見る。
そこから、なぜ農業ではなく酪農が発展したのかを考える。
地理の話をしているようで、理科の考え方も使っています。
こういうふうに、いろいろな知識をつなげて考えられるようになることが、本当の意味での力だと思っています。
そして、宮城県の入試でも、ただ言葉を覚えているだけではなく、
「なぜそうなるのか」
「どの条件が関係しているのか」
「図や地図から何を読み取るのか」
が問われます。
だから教室では、科目をバラバラに覚えるだけでなく、
「これは何とつながっているのか」
「なぜ、そうなるのか」
「他の教科で習った考え方が使えないか」
という見方を大切にしています。
パイロットファームと大酪農地帯
土地がやせている。
気温が低い。
濃霧が発生しやすい。
作物が育ちにくい。
こうした条件が重なったため、根釧台地は広い土地があるにもかかわらず、普通の農業には向きにくい地域でした。
そこで、試しに作られたのがパイロットファームです。
パイロットファームとは、簡単に言えば実験農場です。
この地域で酪農ができるかどうかを試すために、計画的に取り組まれました。
その結果、酪農がうまくいき、今では根釧台地は日本有数の大酪農地帯になっています。
ここで大切なのは、
「根釧台地=酪農」
と丸暗記することではありません。
地図を見る。
場所を確認する。
気候を見る。
海流を見る。
霧が発生する理由を考える。
土地の条件を見る。
だから農業ではなく、酪農が発展したとつなげる。
こういう見方ができると、地理はかなり強くなります。
地理は、地名だけを覚えても、なかなか点につながりません。
でも、地図上の位置と、気候、海流、産業、理由がつながると、入試で使える知識になります。
歴史は、時代によって勉強の深さを変えます
歴史も同じです。
歴史を勉強するとき、最初から全部を細かく覚えようとすると、子どもたちは苦しくなります。
大切なのは、入試でどう出るかに合わせて、勉強の深さを変えることです。
宮城県の入試では、歴史は大きく分けて二つの出方を意識します。
一つは、聖徳太子のころから江戸時代あたりまでの大きな流れです。
このあたりは、細かい知識を一つひとつ深く突っ込むよりも、
「これは何時代の話か」
「この出来事は、どの流れの中にあるのか」
「次にどんな時代へつながるのか」
をざっくり押さえることが大切です。
問題文を読んだときに、
「あ、これは室町時代の話だ」
「あ、これは江戸時代の話だ」
「これは武士の政治が広がっていく流れだ」
と見えること。
この大きな流れが見えていると、点につながります。
一方で、幕末から第二次世界大戦あたりまでは、少し話が違います。
この時期は、短い期間の中で出来事がたくさん出てきます。
ここは、ざっくりだけでは足りません。
明治維新。
日清戦争。
日露戦争。
韓国併合。
第一次世界大戦。
世界恐慌。
満州事変。
日中戦争。
第二次世界大戦。
前後関係や背景を、かなりはっきり区別する必要があります。
特に大切なのは、日本と外国との関係です。
日本と韓国・朝鮮。
日本と中国。
日本とヨーロッパ。
日本とアメリカ。
このあたりの関係が、幕末から昭和戦前期にかけて何度も形を変えて出てきます。
しかも、似たように見える出来事がたくさんあります。
条約。
戦争。
賠償金。
植民地。
不平等条約。
軍備の拡大。
国際関係の悪化。
戦後の国際的なしくみ。
言葉だけを丸暗記していると、
「これは日清戦争の話だっけ?」
「日露戦争だっけ?」
「第一次世界大戦のあとの話?」
「第二次世界大戦の前の話?」
と混乱しやすいところです。
だから、ここはかなり丁寧に整理します。
「どの国との関係の話なのか」
「何が原因だったのか」
「その結果、日本の立場がどう変わったのか」
「次の出来事にどうつながったのか」
を確認していきます。
歴史も、ただ年号を暗記するのではなく、
「この時代は大きくつかむ」
「ここからは細かく区別する」
「日本とどの国との関係なのかを見る」
「似ているところと違うところを分ける」
というように、入試で点になる形に整理していきます。
暗記法ではなく、入試から逆算しています
ここまで読むと、
「書き写しをする」
「口頭試問をする」
「地図で確認する」
という勉強法の話に見えるかもしれません。
もちろん、方法も大切です。
でも、教室で本当に見ているのは、そこだけではありません。
これは単なる暗記法の話ではありません。
宮城県の入試でどう出るか。
どこで点になるか。
どこで差がつくか。
そのために、今何をどう整理するか。
そこから逆算して授業を組み立てています。
理科なら、用語で終わらせず、図でまとめる。
白い紙に、自分で図が描けるところまで持っていく。
理科の計算に備えて、算数・数学の数量感覚まで戻す。
地理なら、地図と理由をセットにする。
歴史なら、時代によって大きくつかむところと深く入るところを分ける。
そして、必要なときには、理科・社会・数学をつなげて考える。
これを、夏の授業の中で一つずつ積み上げていきます。
子どもたちには、ただ
「覚えなさい」
とは言いません。
「ここは図にできるようにしよう」
「ここは時代の流れで見よう」
「ここは深く区別しよう」
「これは地図で確認しよう」
「これは比で考えよう」
「これは理科の考え方ともつながるよ」
というように、入試で使える形にしていきます。
最後に
受験勉強は、ただ長時間やればよいというものではありません。
もちろん、量は必要です。
特に中3の夏は、勉強量が大きな意味を持ちます。
でも、その量を点数につなげるには、やり方が大切です。
理科は、白い紙に図が描けるところまで。
理科の計算は、算数・数学の考え方とつなげる。
地理は、地図と理由をセットにする。
歴史は、時代によって勉強の深さを変える。
そして、科目をバラバラにせず、必要なところでつなげて考える。
合格屋Maxでは、宮城県の入試で点になるところから逆算して、子どもたちに伝えています。
「何を覚えるか」だけではなく、
「どう整理すれば入試で使えるか」まで見る。
そして、そのために中1のころから、ふだんの授業の中で少しずつ考え方の土台を作っています。
今やっている授業が、次の学年につながる。
次の学年の学習が、入試につながる。
数学で身につけた考え方が、理科の計算につながる。
地理で学ぶ産業の理由が、理科の露点や海流の考え方につながる。
そういうつながりを大切にしながら、一人ひとりを見ていく。
そこが、Maxの授業で大切にしていることです。
この夏も、ただ問題を解かせるだけでなく、
一人ひとりが点につながる勉強の形を身につけられるように、しっかり見ていきます。
