中3の受験期になると、
国語についての相談が、一気に増えてきます。
「時間が足りなくて、最後まで解けない」
「記述に時間を使いすぎて、後半が白紙になる」
「焦って読み飛ばしてしまい、ミスが増える」
――点数よりも、
「本当はできるはずなのに」
そう感じてしまうことが、いちばんつらいのかもしれません。
この相談の多さは、
国語が「最後の不安教科」になりやすいことの表れでもあります。
答えが一つに決まらず、
「どこで間違えたのか分かりにくい」教科だからこそ、
不安が残りやすいのです。
多くの場合、
問題そのものが難しいのではなく、
“戦い方(解く順番)”が合っていない。
多くの場合、それが原因です。
「残り5分」の使い方が、合否を分けます
この記事では、
受験本番で点数を最大化するための
「国語の解く順番」を、具体例とともにお伝えします。
なぜ「解く順番」が大事なのか。
分かりやすいシミュレーションをしてみましょう。
試験終了まで「残り5分」の状況を想像してください。
- A君(順番通りに解くタイプ)
大問1の難しい記述問題(配点6点)で悩み続け、結局書き終わらずにタイムアップ。
👉 得点:0点 - B君(解ける順に解くタイプ)
記述問題はサッと飛ばして、後半にあった漢字の読み書き5問(配点2点×5)を確実に埋めた。
👉 得点:10点
同じ5分間でも、使い方が違うだけで「10点」もの差がつきます。
受験において、この差は致命的です。
国語の入試は、「難しい問題を解いた人が受かる」のではありません。
「解ける問題を、時間内にすべて拾いきった人が受かる」のです。
合格屋マックス流:「点数を最大化する」解く順番
では、どうすれば「取りこぼし」を防げるのか。
受験本番で使える「基本ルート」をご紹介します。
鉄則①:まずは「知識・古文」から解く(脳の準備運動)
多くの入試問題には、「漢文・文法・言葉の知識」や「古典」があります。
まずは、ここから解いてください。これには2つの大きなメリットがあります。
- 確実な得点源になる: 知っていれば秒で解けるため、時間を使いません。
- 脳の準備運動になる: いきなり重い長文を読むより、サクサク解ける問題で「よし、解けるぞ!」と脳を乗せてからの方が、現代文の読み取りもスムーズになります。
鉄則②:記述は「10秒ルール」で飛ばす
記述問題や選択肢で迷ったとき、ダラダラと考え続けてしまうのが一番の敗因です。
お子様には、こう伝えてください。
「10秒考えて手が動かなかったら、それは『飛ばす合図』だ」
10秒考えて分からない問題は、3分考えても分かりません。
一度飛ばして、他の問題を解き終わってから戻ってくる。
そうすると、不思議と頭が整理されていて、すんなり解けることが多いのです。
鉄則③:設問を「先読み」してマークする
(※第2号・第3号の復習)
本文を読む前に、設問をざっと見て「何を探せばいいか」に印をつけます。
これだけで、「読み直し」の時間が激減します。
合格屋マックスでは、受験本番の国語を次の順番で考えています。
ポイントは、「難しい問題に挑む順番」を決めることではありません。
① 知識問題(漢字・文法・古文)
② すぐ解ける選択問題
③ 記述・時間がかかる問題
④ 最後に戻ってきて、拾えるところだけ拾う
受験期の国語は「全部を完璧に」は不要です
ここは、はっきり伝えたいところです。
受験当日の目標は、「満点を取ること」ではありません。
「今の実力で取れる問題を、1問残らず取って帰ってくること」
これだけです。
難しい問題は、みんな解けません。
大事なのは、「みんなが解ける漢字や古文を、時間切れで落とさないこと」です。
家庭でできる、受験期向けの声かけ
中3になると、親御さんの言葉がプレッシャーになることもあれば、救いになることもあります。
❌ NGな声かけ(プレッシャー)
- 「最後までちゃんと読みなさい」
- 「ミスしないように丁寧にね」
👉 これは「もっと時間をかけろ」と言っているのと同じです。焦りを生むだけです。
◎ OKな声かけ(作戦会議)
- 「今日はどの順番で解いた?」
- 「漢字と古文は先に確保できた?」
- 「思い切って飛ばせた問題はあった?」
「飛ばすことも立派な作戦」と親が認めてあげることで、子どもは落ち着いて試験に臨めます。
中3受験期の国語は「安定させる教科」
受験直前期の国語は、
「一気に伸ばす教科」ではなく、
「大崩れしないように安定させる教科」です。
第1号〜第3号で身につけた
「語彙」「設問整理」「記述の型」。
これらを、時間内で最大限に発揮するために、
「解く順番」という最後のピースを埋めてあげてください。
合格屋マックスでは、
「焦らせない」「無理に詰め込まない」
この2点を大切にしながら、本番での戦い方を一人ひとりに合わせて指導しています。
「うちの子、いつも時間配分で失敗しているみたい…」
そんな不安があれば、面談で一緒に「本番のタイムスケジュール」を作りましょう。
▶ 受験直前!国語対策シリーズ
第1弾
国語が苦手な本当の理由は「読解力」ではありません
(語彙・言葉のイメージ不足への対策)
第2弾
「ケアレスミス」で片付けないで!答えがズレる本当の原因
(設問の読み取り対策)
第3弾:[記述問題で「白紙」になる本当の原因と対策]
第5弾
【国語シリーズ完結】「国語はセンス」だと思っていませんか?

