「国語が苦手なのは、読解力がないから」
そう思っていませんか?
実は、最近の面談や指導の現場で強く感じているのは、
もっと手前の問題です。
それは――
文章の中の「言葉の意味」を正確にイメージできていない
という状態です。
文章は文字として読めている。
でも、言葉の意味が頭に入っていない。
この状態では、どんな読解テクニックを使っても正解できません。
「読めている」と「分かっている」は別ものです
国語が苦手な子どもたちをよく見ると、不思議な現象が起きています。
- 音読はスラスラできる
- 問題文も最後まで読んでいる
- それでも答えがズレる
原因は、今の子どもたちを取り巻く環境にもあります。
YouTubeやTikTokなど「動画」での情報収集が当たり前になった今、
文字だけで情景をイメージする機会が極端に減っています。
例えば、
「彼は憤り(いきどおり)を隠せなかった」
という一文を読んだとき。
音読はできます。
でも、頭の中で「すごく怒っている人の顔」が浮かんでいない子が意外と多いのです。
イメージが浮かばなければ、物語のストーリーも頭に入ってきません。
つまり、
文章を読む以前に、「言葉のストック」が足りていないのです。
実は、数学や英語の成績にも直結します
「国語は苦手でも、他で頑張ればいい」と思われるかもしれませんが、実はそうもいきません。
- 「計算は速いのに、数学の文章題が解けない」
- 「英語の単語は覚えたのに、長文読解で点が取れない」
これらは実は、国語(語彙力)の問題であることが多いです。
数学の文章題も、背景にある状況をイメージできなければ式が立てられません。
英語の和訳も、日本語の語彙が少なければ、不自然な訳しか作れません。
今、国語に取り組むことは、全教科の底上げにつながる一番の近道なのです。
合格屋マックスのおすすめは「河北新報」です
では、どうすればいいのか。
以前、当塾の講座でも取り入れて効果を感じたのが、
新聞の「一般投稿欄」を読む
というシンプルな方法です。
特に、私たちの地元には「河北新報」があります。
全国紙よりも地域に密着した河北新報の投稿欄「声の交差点」が、実は最高の教材になります。
- 地域の出来事や身近な話題が多い
- 知っている地名が出てくるのでイメージしやすい
- 文章が難しすぎない
「何の話か全然わからない」とならず、お子さんが自然に内容に入っていけるのが大きな利点です。
家でのやり方は、とても簡単です
特別な教材は必要ありません。
もしご自宅で新聞をとっていない場合は、図書館でまとめ読みするのも良いですし、河北新報の公式サイトでも一部記事が読めることがあります。
【親子の新聞タイム 4ステップ】
① 投稿欄(声の交差点)を一つ選ぶ
長さは短めで十分です。
② 子どもに読ませる
音読でも、黙読でも構いません。スマホで見せる場合は文字を拡大してあげてください。
③ たった一つだけ聞く
ここが一番のポイントです。「要約」を求めると子どもは嫌がります。まずは「Yes/No」で答えられることから聞いてみましょう。
- 「この書いた人、怒ってた? それとも喜んでた?」
- 「この意見に、〇〇(名前)は賛成? 反対?」
これなら一言で答えられます。
④ 親子で少し話す
正解・不正解にこだわる必要はありません。会話のキャッチボールができれば大成功です。
【会話のイメージ】
× NG例(テストにしてしまう)親「ちゃんと読んだ? 筆者は何て言ってるの? 要約して。」子「えー…忘れた(面倒くさい)」
◎ OK例(感想戦にする)親「お母さんは、この意見ちょっと厳しいなと思ったけど、〇〇はどう思った?」子「え、そう? 僕は正しいと思ったよ」親「へえ、そうなんだ! 意外としっかり考えてるね」
このように、「どう感じたか」を聞くだけで、子どもは頭の中で内容を反芻(はんすう)します。それだけで十分なトレーニングになります。
頻度は「週2回」で十分です
毎日やろうとすると、必ず続きません。
おすすめは週に2回程度。
- 平日1回+週末1回
- 曜日を決めて習慣化
続けていくと、
「これってどういう意味?」と聞くようになったり、
世の中の出来事に関心を持ち始めたりと、少しずつ変化が現れます。
合格屋マックスとしての一言
国語は、
「言葉を知らなければ解けない」
「世の中を知らなければ読み取れない」
そんな教科です。
河北新報の投稿欄を読むことは、
「言葉」・「他人の考え」・「社会」
この3つを同時に育ててくれます。
遠回りに見えても、家庭でできる小さな積み重ねが、数年後に大きな差になります。
できるところから、無理のない形で始めてみてください。
「ウチの子の場合はどうアプローチすればいい?」と迷われたら、いつでも面談でお声がけくださいね。
【参考リンク】
河北新報の投稿欄などは、公式サイト「河北新報オンライン」でも確認できます。
「声の交差点」はオンラインにはないようなので、次善の策として、少しレベルが上がりますが「デスク日誌」「記者ログ」が適切でしょう。
(※一部有料記事の場合がありますが、無料公開部分だけでも会話のきっかけになります)
https://kahoku.news/column/
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(設問の読み取り対策)

