伸びる子とそうでない子の違い
ドンドン成績が上がっていく子がいます。一方で、いつまでも、なかなかかわらない子もいます。何がちがうのでしょうか。
その違いは・・・ 学力って?
一口に、「学力」と言いますが、土台の下層部分と、表に現れる上層部分の二重構造になっています。
土台の下層部分は、基礎の学力(以降Aの力と表示)です。上層部分の学力は、学年相当の新しい事項を習得した学力(以降Bの力と表示)です。普通は、みなさん、Bの力を学力と言っています。
Aの力とBの力をわかりやすく図にすると、こんな形になっています。
そしてAの力によってこんな状態 や こんな状態になります。
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小6から中3の子に同じテストをしてみた。
次のデータを見てください。12月に小6から中3の子に同じテストを実施してみました。
学年は違っても、同じ問題です。テストの問題は、Aの力の有無を調べる問題です。
表の見方
・アルファベットは生徒を表します。
・中3生の( )内は、その子のその後の受験校、○は合格、×は不合格です。
・表の一番右側の数字は、中3生の受験結果から想定される中3卒業時点での偏差値です。
ちょっとびっくりですよね。
中3生に勝つ小6の子ってどんな子?
小6の子に負ける中3の子ってどんな子?
実はどっちも特別な子ではありません。Aの力に限って言えば、小6の夏以降なら、学年にはあまり関係ありません。できる子は、学年を越えてできます。できない子は、学年を越えてできないんです。
3年後も予想できる
こんな言い方もできます。小6A、小6B、小6Cの子は、たぶんナンバースクールに進学するでしょう。
また、この表中の中1E君は、これから【普通】にやっていけば、たぶん松陵高あたりに進学することになると思います。
なぜかって? これから勉強するんだから変わるだろうって?
もちろん変わります。ただし、【普通】にやっていてはそんなに変わりません。いいですか。ここがポイントです。よく聞いてください。
何をすると、力が高まるのか。
【普通】にやるとは、今、学校で習っている所、今度のテストの所を勉強することですよね。それは、つまり、Bの部分の勉強をすることです。ところが、Bの勉強をしても、Aの力はさほどアップしません。
多くの人が失敗するのが、この点なんです。頑張るところが間違っているのです。Aの力を強化しないと、事態は大きく変わらないのです。
E君の現在のAの力では、今、習っている所をいくら頑張っても、土台になっている小さなAの上に、新しい大きなBの学力は乗りません。
つまり、こんなことは、
起こらないのです。これが、E君が、松陵あたりになると言う理由です。
じゃ、どうすればいいのでしょう。
もうおわかりですね。Aの力を強化する勉強が一番必要なのです。ところが、E君だけでなく、ほとんどの人は、
① Aの力の重要性を知らない。
② Aの力に問題があることを認めない。
③ Aの力は、学年が上がれば自然に高まると思っている。
④ Aの力の上げ方を知らない。
⑤ いまさら小学校の勉強ができるかと思う。
⑥ 小学校の時はできたから大丈夫だ。
などなどで、Aの力を強化する勉強をしないのです。だから成績が大きく変わらないのです。
今更、小学校の勉強ができるか。
中学生になって小学校の内容をもう一度と言われても、しかも、小学校の時は、できたと思っていれば、本気になれないのが当たり前です。気持ちはよくわかります。
正直、中学生本人やその保護者の方に、このことを理解してもらうことが、一番大変なことです。でも、わかってくれて、覚悟を決めれば、半年程度で、大嫌いな数学が、平均点は普通に超えられるようになります。
一方、中学生だからと、中学校の内容(Bの力)にこだわった子は、いつまでも、なかなかパッとしません。
じゃ、今、何をするの?
さて、話を6年生に戻しましょう。毎年、毎年、こんな経験をしているから、それを踏まえて、皆さんには、初めからそうならないために、お話をしています。
小5夏~小6夏に学習した内容が、Aの力の主要部分なのです。だから、小5からこの部分にこだわってやっている訳です。中学・高校と学年が上がってレベルが高くなっても、Aの力が強ければ心配ありません。
だから、Maxの小学部では、どのコースの子も時間の許す限り中学・高校でも伸びていけるAの力の強化に力を入れています。単元によっては、何度も何度も繰り返し、逆に、学校での疑問点の解消にしか時間をかけない単元が、あったりするのはこのためです。
夏期は通常より多く時間をもらい、Aの力の強化に力を入れられます。普段、週1回コースの子は、学校準拠で手一杯です。
時間的に余裕がある週2回コースの子に比べて、Aの力の強化は薄くなりがちです。夏期期間中は、時間がありますから、総合的なAの力を強化するいい機会です。