小5生 2月アドバイス 今、義務教育9年間の最大の難所のど真ん中

いよいよ始まりました。

「割合」に入りました。この単元の習得度で、中学以降の成績が決まると言っても、けっして大げさではありません。そんな超重要単元ですが、 学校では、1ヶ月弱で終わり、 次の単元に進みます。 今までの経験から言えば、そんなに短時間にでマスターできる単元ではありません。

稀にマスターする子がいるという表現の方が、現実を映しています。その証拠に、割合を自由自在に操れる中学生はほんの一握りしかいません。普通、5~6か月、続けるとほとんどの子が そのレベルまでたたどり着きます。

時間に余裕がある週2回コースでは、学校準拠しながら、 数か月間「割合」を継続します。 が、それでも、もっともっと時間が 欲しいぐらいです。

割合・単位量を重視する理由

今回は、式がたくさん出てきて、 読みにくいと思いますが、 どうか最後までおつき合いください。

小学校卒業時点で、以下の説明の⑦レベルの 問題まで進めた子は、間違いなく中学・高校で上位グループです。 一般的には①②レベルですら怪しい状況です。

それなのに、中学の数学は、④程度のレベルから始まります。しかも、数字ではなくて、文字式で扱います。数字でやったこともないのに、いきなり文字でなんか できるはずありません。

本当に不思議に思うのですが、小学校と中学校は、つながっていないのです。その差は、自分で埋めないと、中学でいつの間にか、数学苦手グループ入り と言う事態になります。「小学校の時は、できた」という 数学で苦労している子がいっぱいいます。

レベル①

520gは400gの何%です。 「●は◆の何%ですか」が割合の基本型です。

レベル②

はるこさんの学校での6年生の人数は175人で、そのうち女子の人数は91人です。女子の人数は6年生全体の人数の何%でしょう。

②は文で書いてあるだけで、 文意が読み取れれば、 「91人は175人の何%ですか」で、「●は◆の何%ですか」の基本型です。 ①と同じレベルの問題です。

レベル③

800円の20%引きはいくらですか。

このレベルで、早くも問題が発生します。小学校のやり方では、 中学では、通用しないのです。 一般的に、小学校では次のようにやります。

800×0.2=160円   800-160=640円    答640円

このやり方だと中1で行き詰ります。 やってみましょう。

a円のb%は、 これをa円から引きます。

ところが、の計算が 中1ではできません。

中3で因数分解を学習した後でないと、この計算ができないのです。つまり、小学校で教えている方法は、 中1では通用しないことになります。 実に、不可解なつくりになっているのです。 じゃどうするのか?

800円の20%引きは、 100%-20%=80%と考えます。 これで、「800円の80%は何円か」と 基本型になります。 この考え方で、中学生は、b%引きを、 (100-b)%と考えます。

レベル④

「Aさんの家では、しき地の面積の20%が庭で、その10%が池です。池の面積は3.2㎡です。しき地の面積は何㎡ですか。」

④は割合が2回出てきます。2回同じことを繰り返せばいいだけです。まず、 「池の面積3.2㎡は庭の面積の10%です」と 基本型にして、庭の面積は、3.2÷0.1=32㎡

次に、 「庭の面積32㎡は、しき地の面積の20%です」とこれまた基本型にして、しき地の面積は、32÷0.2=160㎡となります。

基本型を2回繰り返しただけですが、 この操作がスムーズにできるよう になるのに普通2~3ヶ月かかります。でも小学校では1ヶ月程度で 次の単元に進んでしまいます。

本当に、学校とは不思議な所で、 一番大事な所には、 時間をかけません。 これは中学校に行っても同様です。後々の重要度から言えば、他の単元の時間を削っでも、時間を取りたいところですが、 簡単な単元には時間をかけるのに、 難しい重要単元は早く進んでいきます。

このレベル④の問題は、 基本型を2回繰り返したと説明しましたが、 理解が深まれば、 池の面積は、庭の面積の10%で、庭はしき地の20%だから、「池の面積は、き地の面積の 20%の10%だから、0.1×0.2=0.02で2%だ」と 考えられるように持っていきたいところです。

そうすると、「池の面積は、しき地の面積の2%」と1発で、基本型にできます。 ここまで来るのに、4~5か月かかりますが、 ここまでくると、かなり自由に 割合を扱えるようになっています。

レベル⑤

「3000円で仕入れた品物に30%の利益を見込んで定価をつけましたが、売れなかったので、定価の30%引きにして売りました。何円の損失がありましたか。」

「%引き」や「%まし」は、 ③の方法を使います。 割合が、理解できていない子は、 30%増やして、30%減らしたら もとにもどると考えてしまいます。

先の30%のもとにする量は、 仕入れ値の3000円。 後の30%のもとにする量は、定価で3900円です。もとにする量が違うから、 同じ30%でも、異なる金額になります。

3000×1.3=3900円・・・定価     3900×0.7=2730円・・・売値

3000-2730=270円 (答)270円の損失

「もとにする量」の認識度の確認

「ある会社の社員の数は425人で女子社員は男子社員の25%です。女子社員、男子社員それぞれ何人ですか。」で、「25%のもとにする量は何?」と聞くと、理解度が明確に分かります。

●もう少しで、 マスターする子の反応

その質問がヒントになって、 「もとにする量」の確認が 甘かったことに気が付きます。 完全にマスターした子は、 無意識のうちに「もとにする量」を チェックしています。 ここにまだ、差がありますね。

●まだまだの子の反応

「一番大きいから」とか「なんとなく」と 言う答えが返ってきます。

「○○だから、◇◇◇だ」と筋道で、 考えていない事がわかります。 これが、できない子の共通点です。 筋道なしで、なんとなくでやっています。 だから、今、できても再現性がありません。

なんとなくが、いつでも当たるほど 甘くはありません。 どの科目も小5~6から、 学習の対象が具体的なものから 抽象的なものに変わります。 抽象的になればなるほど、筋道をたてて考えることが、 重要になります。 その力の強弱が、 割合,単位量,分数,速さの単元で、 ハッキリ形になって出てきます。 割合の理解が進んできたら、 線分図を絡めます。

レベル⑥

「進さんの学校でめがねをかけている生徒は 62人で全校生徒の10%より6人多い そうです。学校にはめがねをかけていない 生徒は何人いますか。」

問題が意図していることを理解するために 図を描きます。

上記のような線分図が描ければ、 62-6=56人が、 全体の10%だと気がつきます。 すると、「全校生の10%は56人です」と ①レベルの問題になりました。

考えるために、 自分で図を描く技術が、考える力の源泉です。描いてもらった図を見てわかる子と自分で図を描いて発見できる子との差は とてつもなく大きなものがあります。

最後は、 ほとんどの中学生が大の苦手とする 食塩水の問題です。苦手になる第1の理由は、小学校で、やらないからです。 やらないから、しかたありませんが、 食塩水の濃度という意味すら 知らない子もけっこういます。

それなのに、 数字で、 「a%の食塩水300gと b%の食塩水200gをまぜると 何%の食塩水になりますか」なんて問題、 解けないのが普通です。

でも、中1でこんな問題が出てきます。 小学生の時に、レベル⑦A、B、Cも やっていないのに、どうしてこんな問題が解けるのでしょうか?  わざとできなくなるようにしてあると、 疑いたくなるぐらいです。

レベル⑦

A 「195gの水の中に5gの食塩を入れると 何%の食塩水になりますか。」

B 「3%食塩水150gの中には、何gの 食塩が入っています。」

C 「6%の食塩水150gと10%の食塩水 100gをまぜると何%の食塩水になりますか。」

義務教育9年間の 最大の上り坂

小5秋~小6秋の学習には、 将来を左右するテーマが 「割合」「単位量」「分数」「速さ」と 目白押しに並んでいます。 どれも、 将来を左右する超重要なテーマですから、 1ヶ月程度で、 マスターできるはずありません。

だから、 割合・単位量には特にこだわるのです。 この1年間は週2回コースを お勧めする理由でもあります。

今回は、 非常に読みにくかったと思います。 たとえ話を使って、 わかりやすく書く方法もありましたが、 具体的な問題の例がないと、 子どものレベルの見当がつかないので、 あえて問題例を挙げながら説明しました。 いや、しかし読みにくかったと思います。 失礼しました。

分数のかけ算とわり算

分数は奥が深い単元で、割合とも深く関係しています。 まずは、よどみなくスラスラ計算できることを最初の目標にしましょう。

意味付けや割合のと連動は、計算がスラスラできるように なってからにします。 その前に、スラスラ計算できるためには、 「いくつで約分できる?」に 敏感に反応する力が必要です。 ここでモタモタすると、計算ですら、大問題になってしまいます。

例えば、51は何で割れるか。 瞬間的に頭の中に何個、 約数が浮かんでいるか? それが勝負です。ここで急激にブレーキがかかる子は、小4あたりのわり算に戻って、スラスラできるようになるまで 練習をした方が、逆に早く復活できます。

分数に整数をかける

分母はそのままにしておき、 分子にその整数をかける。

分数を整数でわる

分子はそのままにしておき、 分母にその整数をかける。

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