つまずきやすい後期を、逆にジャンプ台にするために。 

 後期は差がつく

「勉強」というと、積み重ねで、いつもいつも重要なことを習っている。そんなイメージがあるかも知れませんが、実はそうでもありません。

力をいれるべき時と、割と流しても平気な時期があります。年がら年中、重要じゃ疲弊してしまいますものね。割と流しても平気な時期なら、何かの事情で、遅れてしまっても、次の勝負所の前までに追いつけば、大事には至りません。

では、その力をいれるべきときはいつなのかといえば、基本的に、どの学年も後期です。言い方を変えると、後期から新しい次のレベルの学習が始まるのです。だから、それ以降の成績を左右するのです。


前期の内容でつまずいても、比較的容易に取り戻すことができます。が、後期の内容でつまずくと、後々まで響いて、長期間、苦しむ原因になることが多々あります。

なのに、先日もお話しましたが、学校は不思議な所で、簡単な前期はやたらに、時間をかけてゆっくり進み、重要な後期になると、スピードを上げてあっという間に進む傾向があります。

「オイオイ。この単元、そんなスピードで進んで、一体、何人の子がマスターできるの?」と聞きたくなるときがたくさんあります。

ここで、ちょっと愚痴らせてください。怒っているんです。

中1の数学は全部で7章あります。一番やさしい第1章の「正負の数」を、4月から7月までかけて3ヶ月も、教える学校がほとんどです。と言うことは、残りの6章を7ヶ月で終わらせるということです。

中1の最重要テーマは、第3章の方程式です。特に方程式の文章問題では、小学校から積み上げてきた速さや割合や単位量をフル活用しますから、方程式の文章問題をマスターさせようと思えば、その部分をきちんと復習してからでないと、中学の内容に入れません。いくら時間があっても足りない所なのです。ところが、もう第4章の「比例・反比例」に進んでいる学校があります。

驚きました。

近所の中学校では、方程式の文章問題を3回の授業で終わりにしました。何だそれ!

毎年、方程式の文章問題の説明は、小学校の速さや割合や単位量を数学的見方から説明し直して、再構築しないと、なかなか使えるようにならないところです。マックスでは、夏休みから時間を取ってこの作業をしています。

それでも、足りなくて、中2でも連立方程式の文章題に備えて、中1の2.3月にまた復習します。それが、どうすれば3回で教えられるのか?

中3の進行もひどい状況です。中学図形の難問の宝庫は、相似と三平方の定理です。その学習は10月後半からです。中学英語のメインイベントの関係代名詞も10月後半から、遅い中学だと11月の中間テストが終わってから習います。

子どもたちが、マスターするのに多くの時間を必要とする単元は、いつも、押し迫ってから、チョコチョコって感じで終わりになります。これって、何ですかね?

大半の中学で公民の授業の進みの遅さも大変な状況です。まだ教科書の3分の1ぐらいってところがほとんどです。ついに、模試での出題が先になったりしてしまっています。以上、愚痴と怒りでした。

小学高学年から中2までのポイント

① 小5の夏以前に、勉強で困ったことがあれば一大事です。

「早く」対策して下さい。どうしてかと言うと、できない期間が長く続くと、子どもが本当にダメになることが多いからです。

自分はできないと劣等感を持ってしまうと、「学ぶこと」そのものに背を向けるようになります。頭の問題ではなくて、心の問題にしてしまうと、すこぶる厄介です。

② 中学・高校の基礎が、小5秋からの1年間にある。

義務教育9年間の中で、最大の上り坂です。後々まで影響を及ぼす内容が目白押しの時期です。単元で言えば、分数、速さ、割合、単位量、分数とわり算あたりです。

この時期から学習のテーマが、日常から離れて、所謂【勉強】になっていきます。学習の対象が具体的で目に見えるものから、抽象的な概念に変化していきます。この変化についていけるかどうかが、今後の成績を大きく左右します。

慣れるまでに随分と時間のかかることが普通です。しかし、この時期は、進行が早いので、慣れる前に、次の単元に進んでしまうのです。

だから、たとえ学校が、次の単元に進んでしまっても、「むずかしい」という気持ちが薄れるまでは、時間をかけて続けることが大切です。慣れる前にやめてはダメです。単元で言えば、分数、速さ、割合、単位量、分数とわり算あたりです。

これらの単元には、十分すぎるほどの時間をかけて、完全にマスターしましょう。以降の成績が、まるっきり変わります。まさにジャンプ台になる単元でもあるのです。

時間にゆとりがある週2回コースの小学生には、学校の進行とは別に、これらの単元には、それぞれ2ヶ月程度の時間をかけています。そのぐらい時間をとれば、マスターできる単元です。

③ 小学高学年から序列化が始まる。

「僕は●●君よりできるけど、◆◆さんよりできない」ってあれです。その評価は一般に、子どもたちにもわかりやすい算数の出来・不出来で作られるようです。

そして、ココからが怖い点ですが、子どもたちは、その序列化に従った行動をするようになっていきます。序列上位の子は、できる子の行動に、そうでない子は、そうでない子の行動になっていきます。

だったら、それを利用しない手はありません。この時期は、多くの子が強く意識して勉強している訳ではないので、少し梃入れすれば、「●●君、できる」と言われ時が早く来ます。中学生になってから梃入れするよりも、ずっとずっと短期間でその時が来ます。

先生から褒められる。皆からできると思われる。その経験が子どものを大きく育てます。できる子の共通点は、「勉強で、いい思いをした経験が多い」ってことです。いい思いをしないまま、できるようになった子を見たことがありません。その意味でも、ジャンプ台にできる絶好のタイミングです。

ついでにもう一つ、この時期、特に注意して頂きたい点があるので、付け加えておきます。

④ 習い事のやめ方

目標が達成できて、終わりにするという形をとることをお勧めします。

「○○ができたから終わりにする」が理想です。目標が達成できたという経験をさせて下さい。「いついつになったらやめる」と時間設定する方法が2番目です。

例えば、ピアノを習っていた。特別才能があったわけじゃない。子どもの熱も冷めてきた。やめ時ですね。さて、どう幕引きするか。一考してください。

「面白くないから」「つまらないから」というやめ方は、後々に問題を残す場合があります。「面白そう」で始めて、「つまらない」でやめて、大人から見れば、妥当な判断なのですが、子どもは、そこから何を学ぶでしょうか。

中3生で、受験勉強の最中に、投げ出す子がいます。大半はこの手の経験者です。彼らが学んだことは、「つまらなかったらやめ」ていいです。

この時、「受験は別でしょ」と言っても、口では「わかってる」と言いますが…、その行動をみていると何も伝わってなかったのねって感じです。

始めるときに、「○○ができるまでやる」「○○までやったらやめる」とルールを決めて、始めるのがベストだと思います。

⑤ 中1の後期

中学での基礎が出そろいます。数量の表し方・方程式・方程式の文章問題,三人称単数のS、一般動詞とbe動詞の区別などの英語の基本ルールです。基礎だから難しいわけではありませんが、基礎だから完璧にできないと、後から大ブレーキになります。

小学生の時を思い出してください。小2.3あたりで、掛け算九九があやしい人がクラスにいたかと思いますが、その人たち、小5.6の頃、算数できるようになっていましたか。頑張った人もいたでしょうが、ほとんどの人は、算数が大嫌いになっていたはずです。

それとまったく同じことが、英語で起こります。中3で英語が苦手な人の原因は、中1のこの時期の学習内容がイイカゲンなままだからです。基礎だから完璧にできないと、九九があやしいかった人のように、後からドンドンできないことが増えていきます。

中1の後期は、英語も数学も、中学での当たり前を習うので、当たり前を当たり前になるまでやることが、今後の飛躍を起こすジャンプ台になります。

⑥ 中2の後期

中2の前期は、中学で、こんなに長期間、重要事項が少ない期間はココだけでした。だから、中1の後期まで順調に来た人にとっては、中学生活で、一番楽な数ヶ月でした。逆に、トラブルを抱えている人は、挽回できる絶好のチャンス(もしかすると最後のチャンス)が中2の前半でした。

ところが、中2は夏過ぎから、いきなり決戦の時を迎えます。英語・数学ともに、中学での第2段階に入り、急激に難しくなります。数学では1次関数や図形、英語では不定詞・動名詞そして接続詞が本格化します。入試での最頻出問題です。

2年生諸君。今、やっていることが入試に一番多く出ます。当然、これからの実力テストや模擬試験でも、毎回毎回、これらが出ます。ここで点が取れる=合格できるです。

後から頑張るなんて、のん気なこと言ってないで、今やっていることを、今、マスターする方が、メチャクチャ効率的です。

中には「3年になったらやる」と思っている人がいると思いますが、その時はその時で、やることがいっぱいあります。それなのに、今から、わざわざ大変な時期に、やることを後回にしするなんて、自分で苦しくなる方法を選んでいるようなものです。

今、できることは、今やる。それが来年を楽にする方法です。同時に来年の大ジャンプは、ここから始まっていきます。部活でも、中心学年になったってことは、実は勉強もど真ん中にいるってことなのです。

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