【中3・夏期】問題を読むと答えが浮かぶ夏へ|秋も頑張れる受験生になるために

中学3年生へ|この夏、「問題を読むと答えが浮かぶ」という経験をしてほしい

中学3年生にとって、高校入試に向けた勉強が本格的に始まりました。

夏休みには、まとまった時間を使って勉強する「ロングラン」も行います。

長い時間の勉強と聞くと、

「そんなに勉強できるかな」
「本当に参加した方がいいのかな」
「長時間勉強すれば、成績は上がるの?」

と思う人もいるでしょう。

保護者の方も、

「無理をさせて、勉強が嫌にならないだろうか」
「ただ長く机に座るだけにならないだろうか」

と心配になるかもしれません。

もちろん、長時間机の前に座るだけで成績が上がるわけではありません。

しかし、やるべきことを決め、正しい方法で繰り返す時間を確保できれば、この夏に大きく変わる可能性があります。

ロングランで子どもたちに経験してほしいのは、長時間勉強したという事実ではありません。

「自分は、覚えればできるようになる」

という手応えです。

「こんなに暗記ばかりして、成績は上がるんですか?」

夏のロングランを始めると、毎年何人かの子が、こんなことを言います。

「先生、こんなに暗記ばかりして、本当に成績は上がるんですか?」

この質問を聞くたびに、私は、

「まだ勉強の何たるかを知らないのかもしれないな」

と思います。

ただ、それは子どもが悪いわけではありません。

きちんと覚えるところまで勉強し、知識が自分の中から自然に出てくる経験を、まだしたことがないのだと思います。

「勉強は考えることではないの?」

と疑問に思う子もいます。

もちろん、勉強には考える力が必要です。

しかし、考えるためには、その材料が頭の中に入っていなければなりません。

理科の実験結果を考えるときにも、基本的な用語や法則を知らなければ、どこに注目すればよいのかわかりません。

社会の資料問題も、時代の流れや地理的な特徴が入っていなければ、資料の意味を読み取れません。

英語では、単語や文法が身についていなければ、長文の内容を考えるところまで進めません。

数学でも、公式や基本計算をすぐに使えなければ、応用問題を考える前に頭がいっぱいになります。

覚えることは、考えることの反対ではありません。
考えるための準備です。

まず、必要な知識を頭に入れる。

そして、問題に合わせて必要な知識を取り出し、考える。

この順番を、夏に体験してほしいと思っています。

問題を読んでいる途中で、答えが浮かぶようになります

ロングランの初めには、

「本当に、こんなに繰り返す必要があるの?」

と言っていた子たちも、8月、9月のテストを受けるころになると、違うことを言い始めます。

「問題を読んでいる途中で、答えがふっと浮かんできました」

これは偶然ではありません。

何度も繰り返し、必要な知識が頭の中に整理された結果です。

最近の定期テスト対策でも、理科と社会をこれまで以上に徹底して勉強しました。

テストの2、3日前、ある子が問題を解きながら、驚いたように言いました。

「先生、サクサク答えられる」

そして、同じように、

「問題を読んでいると、答えが自然に出てくる」

という話をしていました。

本人にとっては、不思議な感覚だったのかもしれません。

しかし、これが知識を確実に身につけたときに起こる変化です。

問題を読む。
必要な知識が頭の中から出てくる。
その知識を使って考える。
迷わず答えを書く。

ここまでつながると、勉強は苦しいだけのものではなくなります。

「自分にも解ける」
「前より速くできる」
「勉強したことが点数につながっている」

という手応えが生まれます。

私は、この経験をこの夏、できるだけ多くの中学3年生にしてほしいと思っています。

夏の成功が、秋に頑張れる受験生をつくります

これまで子どもたちを見てきて、強く感じていることがあります。

夏に頑張り、秋の初めに成績が上がった子は、そのあとも頑張る子になるということです。

夏の努力が点数や偏差値に表れた子は、

「やったら、本当に上がるんだ」
「自分は、まだやれるかもしれない」
「行きたい高校に近づけるかもしれない」

と感じます。

その手応えが、次の努力を生みます。

こちらから何度も「勉強しなさい」と言わなくても、自分から机に向かう時間が増えていきます。

秋以降、模擬試験の結果が思うようにいかなかったときにも、

「夏に一度上げられたのだから、もう一度やれる」

と踏ん張れるようになります。

反対に、夏に十分な手応えを得られなかった子は、なかなか本気の受験生になりきれないことがあります。

行きたい学校へ近づく方法を考えるよりも、

「今の偏差値で入れそうな学校はどこだろう」

と、早い段階から探し始めてしまうことがあります。

もちろん、最終的にどの高校を選ぶかは、本人とご家庭が納得して決めることです。

今の自分に合った学校を選ぶことも、決して悪いことではありません。

ただ、本当は行きたい高校があるのに、

「自分には無理だから」
「別に、そこまで行きたいわけではないから」
「もう、この学校でいいから」

と、十分に挑戦する前に自分の可能性を閉じてほしくはありません。

子どもはいろいろな理由を話してくれます。

その理由が、本人の本当の気持ちから出たものなのか。

それとも、成績が上がらなかった悔しさや、「頑張っても無理かもしれない」という不安から出たものなのか。

そこは、丁寧に見なければならないと思っています。

私は、子どもたちに不本意な形で納得してほしくありません。

だからこそ、この夏を何としても成功させたいのです。

夏に頑張り、秋の初めに本人が手応えを感じる。

「もっとやれる」
「自分の希望がかなうかもしれない」

と思える。

そして、秋以降も自分から頑張れる受験生になってほしい。

この夏の本当の目標は、夏休み中の勉強量を増やすことだけではありません。

秋から本気で頑張れる自分を、夏のうちにつくることです。

すぐに取れた100点より、何度もやり直した100点を信じます

覚えるために使う100点ドリルでは、もちろん100点を目指します。

ただし、私は一度見ただけで簡単に取れた100点を、それだけで「もう大丈夫」とは考えていません。

一度目は不合格だった。
覚え直して、もう一度やった。
それでも間違えた。
また調べ、声に出し、紙に書いて覚え直した。

7回目、8回目で、ようやく100点になった。

私は、こうして取った100点を信じます。

何度も間違えた子の方が、最後には長く覚えていることがあります。

間違えるたびに、

「自分は、ここを間違えやすい」
「この言葉と、この言葉を混同していた」
「理由まで理解していなかった」

と気づけるからです。

不合格になることは、失敗ではありません。

次に覚えるべきところが、はっきり見えたということです。

大切なのは、不合格をそのままにせず、できるところまで続けることです。

「100点を取る練習」は、答えだけを覚えることではありません

家で100点ドリルの練習をするときは、次の順番で取り組みます。

1.最初は何も見ないで全問を解く

問題を広げ、ルーズリーフに答えを書きます。

まず、自分がどこまでできるのかを確認します。

2.自分で採点し、間違えた問題に印をつける

解説・解答を見ながら採点し、間違えた問題には赤で印をつけます。

正解を書き写すだけでなく、

「なぜ間違えたのか」
「どこを勘違いしていたのか」

まで確かめます。

3.ノートや解説を読み直す

間違えた問題に関係する説明を読み、考え方を理解し直します。

解説書には、重要な暗記事項を赤で、自分が気づいたことや次に気をつけることを青で書き込みます。

特に価値があるのは、青で書いた自分への注意書きです。

市販の参考書には、その子が何を間違えやすいかまでは書かれていません。

自分の間違いを書き込むことで、解説書が「自分専用の参考書」に変わります。

4.声に出し、紙にも書いて覚える

解説を眺めるだけで、「覚えたつもり」にならないようにします。

声に出す。
紙に書く。
何も見ないで言えるか確かめる。

頭の中から、自分の力で取り出せる状態を目指します。

5.もう一度、全問をテストする

100点にならなければ、間違えたところを覚え直し、もう一度挑戦します。

これが、私が子どもたちに伝えている、

「100点を取る練習をしておいで」

の中身です。

答えの並びを一時的に覚えるのではなく、秋以降も使える知識として残すための練習です。

一度覚えただけでは、忘れるのが普通です

人は、一度覚えたことを、そのままずっと覚えていられるわけではありません。

忘れるのは、やる気がないからでも、能力がないからでもありません。

ごく普通のことです。

だからこそ、翌日、数日後、1週間後と、少し間を空けながらもう一度確かめます。

高校入試では、夏に学習した内容を、秋、冬、そして入試本番まで使えなければなりません。

そのため、

「一度100点を取ったから終わり」

ではなく、

「しばらくたっても、自分で思い出せるか」

まで確認します。

ロングランでは、目の前の課題を終わらせるだけでなく、入試本番まで残る勉強の仕方を身につけていきます。

保護者の方へ|結果だけでなく、変化を聞いてみてください

ロングランから帰ってきたお子さんは、疲れていると思います。

そのとき、

「今日は何時間勉強したの?」
「全部覚えた?」
「これで偏差値は上がりそう?」

と結果を急いで確認するよりも、

「今日は、何ができるようになった?」
「一番苦労したのはどこだった?」
「前より答えが出るようになったものはあった?」

と聞いていただけると、お子さんは自分の変化を言葉にしやすくなります。

一日で劇的に変わるとは限りません。

何度やっても不合格になる日や、覚えるのに時間がかかって落ち込む日もあるでしょう。

その時間も、決して無駄ではありません。

自分の弱点を知り、覚え方を工夫し、できるまで繰り返す経験が、その後の受験勉強を支えます。

保護者の方には、

「一度でできなくても大丈夫」
「できるようになるまで続ければいい」

と、少し長い目で背中を押していただければと思います。

私も、単に課題を与えるだけではなく、

  • どこで止まっているのか
  • 覚え方が合っているか
  • 理解せずに答えだけを覚えていないか
  • 前に覚えた内容が残っているか
  • 疲れすぎて集中力が落ちていないか

を見ながら進めます。

厳しく繰り返させることだけが指導ではありません。

なぜ繰り返すのかを伝え、本人が「前よりできる」と感じられるところまで一緒に進むことが大切だと考えています。

中学3年生のみなさんへ

この夏、最初から何でもできる必要はありません。

何度間違えてもかまいません。
覚えるのに時間がかかってもかまいません。

できなかったら、調べる。
覚え直す。
もう一度試す。

それを繰り返して、自分の力で100点までたどり着いてください。

ロングランは、楽な勉強ではないと思います。

でも、ただ苦しいだけの時間にはしません。

「前よりわかる」
「前より速く解ける」
「自分でも、ここまでできる」

そう感じられる夏にしたいと思っています。

そして秋の初めに、

「頑張ったら、本当に変わった」
「もう少し上を目指せるかもしれない」

という手応えを、一緒につかみたいと思っています。

勉強の仕方がわからないまま、一人で迷う必要はありません。

まずはロングランに来て、一緒にやってみてください。

この夏の努力が秋の自信に変わり、その自信が入試まで頑張り続ける力になるように。

私も、一人ひとりの様子を見ながら、最後まで一緒に進んでいきます。

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