フラッシュカードアプリを活用する
昔から有効な暗記方にカードがあります。今はカードを使った学習がスマホでできます。フラッシュカードアプリを活用することです。例えば、QuizletやAnkiといったアプリを利用すると、自分が覚えたい単語や公式をフラッシュカード形式で作成し、効率的に暗記を進めることができます。
例えば、英語の単語を覚える場合、次のようなフラッシュカードを作成します:
正面:単語(例:ate)
裏面:意味や例文(例:eatの過去形 食べた I ate an apple yesterday.昨日、私はりんごを食べました。)
このように覚えたい内容をフラッシュカードにして、定期的に復習することで、暗記力を高めることができます。
クイズやゲーム形式で学習を楽しくする
暗記作業は単調に感じられることがありますが、クイズやゲーム形式で学習を行うことで、楽しみながら効果的に暗記力を高めることができます。これもスマホで、DuolingoやKhan Academyといったアプリを使えば、クイズ形式やゲーム要素が取り入れて進められます。
スマホアプリの利用の注意点
スマホアプリの利用は、強力なツールになりますが、一部の子にとってはいくつかの問題点もあります。
① スマホがそばにあると、勉強にならない子はNGです。
(スマホを使っていなくてもスマホの近くにいるだけで、勉強能率が下がるという研究もあるそうです)
② 操作が面倒と思う子
カスタマイズ可能であるために、逆に設定や操作が複雑です。機能を理解し、最適に設定するためにはある程度の時間と労力が必要です。それが大変と思う子は無理して使う必要はありません。
③ 定期的・継続的に使わない子
これらのアプリは、反復することを前提に作られています。1度しかやらないから、アプリを準備するだけ時間の無駄になります。
④ 視覚的な学習や実践的な学習を好む人には不向き
これらのアプリは、基本的にフラッシュカードによる学習的の要素を多く持っています。ですから、フラッシュカード形式が合わない子にとっては効果的ではありません。
⑤ コンテンツの質には問題点がある。
あらかじめ準備されている問題の質は一定ではなく、時には間違いも見受けられます。必要に応じて修正する労力が必要です。つまり、仕組みは利用するが、問題は自分で入力すべきということです。
こんな使い方をした子がいました。
2~3年前の卒業生です。 塾のテキストの問題を繰り返しやりたい。でも、書いてやると時間がものすごくかかる。アプリに問題を自分で入れるのもごくたいへん。どうしようという話でした。社会が苦手な子だったので社会の1問1答テキストの答えを、声を出して読んでそれを録音して聞き直せば、短時間でテキストを何周もできるんじゃないとアドバイスしました。
彼女がたどり着いたやり方を説明します。
① スマホの録音機能をonにして、問題を声を出して読む。 答えは、わざと1秒ほど置いて答える。
② その日に、再生して問題を聞きながら、もう一度解答を言う。音声の解答を聞く。正解を見る
→ 正解 (喜ぶ) → 不正解 テキストに赤◯をつける。 <内容的にはこれで2回転です>
③ 2.3日後、赤◯問題だけを、同様にやる。
<この子がすごいのはココからです>
④ 全問できるようになったら、録音しながら全問通してもう1回やる。答えを確認する。 この録音したデータは保管する。
⑤ 1ヶ月後ぐらいに、保管して置いたデータをもう一度再生して、問題を聞いたら、答えが聞こえて来る前に、答えを言う。
→ 正解か不正解がすぐに分かる。 → 不正解の問題だけを集めて、同様の作業を繰り返す。
上手な方法です。この方法を活用すると高速で何回転もできます。専用アプリを使おうとして、入力に苦労しているならこの方が賢明ですね。彼女は高校生になってからもこの方法を利用しています。単純に暗記する科目には一番お勧めと言っていました。
アウトプットを意識する
一度勉強したことを友達や家族に説明してみましょう。教える行為は理解を深め、記憶に定着させるのに役立ちます。自分の言葉でしっかりと説明できるようになるまで、何度も繰り返しましょう。 覚えるだけでなく、覚えた内容を他人に説明してみると定着度が全く違います。
小刻みに分けて覚える
今回の一番のお勧めの方法です。 「スペースド・リピティション」という学習方法があります。これは、一度にたくさんの勉強するのではなく、数日に分けて少しずつ繰り返し学習する方法です。これにより、長期的な記憶が定着しやすくなります。
スペースド・リピティションは、学習した内容を忘れる前に繰り返し復習することで、記憶に長く残りやすくする勉強法です。この方法は、記憶の「忘却曲線」に基づいており、情報を一定の間隔で復習することによって、その情報の記憶が長持ちするとされています。
スペースド・リピティションの手順
① 新しい情報を学ぶ:
まずは新しい情報や知識を通常通り学習します。
② 初回の復習:
学んだ直後に、その内容をすぐに復習します。これは情報を一度固めるために重要です。
③ 2~3日後、2回目の復習:
大部分覚えているので短い時間で済みます。1回目に難しいと感じた所が、すこしやさしく感じるようになってきます。
④ 1週間後に3回目の復習:
2回目にできなかった問題を復習します。 かなり簡単に感じるでしょう。復習のたびに、間隔を広げていきます。
⑤ 定期的な復習: 2週間後ごと
このプロセスを続け、定期的(2週間に1回)に復習します。どんどんできない問題が減ってきます。さらに長期記憶に移行して完全定着します。
スペースド・リピティションの利点
効率的な学習:
理解を長期記憶に移行させることができるため、長い期間にわたって覚えることができます。
時間の節約:
徐々に復習の間隔を広げることで、無駄な復習を減らし、より多くの新しい学習に時間を割くことができます。
忘却の防止:
忘れる前に復習することで、情報を継続的に思い出すことができます。
実践のヒント
お勧めの『間違い直しノート』がものすごく役立ちます。
継続とモチベーションを保つ
最も重要なのは継続です。暗記は一日や二日で効果が現れるものではありません。定期的に復習を続けることで、着実に暗記力が向上していきます。また、自分の目標ややりたいことを明確にし、それを達成するために暗記力を高める意欲を持つことも大切です。
モチベーションを保つためには、小さな目標を設定して達成感を得ることも有効です。
そのためには、例えば、できなかった問題に赤マルをつけて、できるようになったら赤マルの上に、思いっきり✕印をつけて、できるようになったと見てわかるようにする。 また、例えば、記録表をつけて、◯月◯日、テキスト◯ページに何番の問題、◯分かかって◯点。 それが1週間後は、◯分で◯分早くなって、点数も◯点上がったという記録表をつけます。
これらは、全部自分で自分の進歩を明確にするためにやることです。自分の進歩がわかれば、モチベーションを保つことが楽になります。「やる気が~」とかよく言う人に特にお勧めします。